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◆ 平成２３年度 称号者研修会
日時： 2012年２月25日（土） 9：00〜17：00 ２月26日（日） 9：00〜15：30
場所： 奈良・橿原公苑弓道場
平成２３年度 称号者研修会 備忘録
【平成２３年度称号者研修会】
◆日時：
平成２４年２月２５日（土）〜２６日（日）
１日目（９：００〜１７：００） ２日目（９：００〜１５：３０）
◆会場：
奈良県・橿原公苑弓道場
◆目的：
称号受有者の基本体の習得と、射礼及び射技・射術の向上を図るとともに、指導者としての啓発を行う
◆講師：
吉本清信 範士九段
須田三郎 教士七段
◆重要項目：
� ヾ靄楝里篌裕擦亡悗靴董�各自課題を持って研修に臨むこと
�◆ヾ靄楝竜擇喙洋蕁�射法について徹底した研修を行うこと
◆日程：
省略 （称号者研修会案内に記載）
◆参加人数：
４６名 錬士五段（１７名） 錬士六段（１７名） 教士六段（１１名） 教士七段（１名） 計４６名
◆机上研修：
ホテルウェルネス大和路 大広間
◆宿泊：
ホテルウェルネス大和路 （奈良県桜井市山田 TEL：０７４４−４３−８６０６）
【称号者研修会 １日目】
◆講師：
吉本清信先生 須田三郎先生
◆準備運動
開講前に綿松さんによる準備運動
◆拝礼
奈良県弓道連盟 吉本会長の先導により、国旗に拝礼
◆吉本主任講師より挨拶
生憎の天候であるが、一時の寒さを考えると、幾分穏やかであり、このような寒さの中では有るが修練を意識して研修に臨んでもらいたい。
称号者研修会は、昭和６０年に当時理事長の須田先生と、指導部、吉本先生・中埜先生で称号者研修会を企画。
増田先生・昆布先生に講師をお願いして、スタートした。
当初は２０名足らずの称号者での開催が今年、４６名にまで増えた。
翌年６１年度から、他県からの先生を招聘し称号者研修会の充実を図ってきた。
�� S６０年度 増田美和栄先生・昆布富明先生
�� S６１年度〜 森川勝先生（数年）
�� 森川勝先生・大野博孝先生（2回）
�� 大野博隆先生（数年）
�� 鈴木三成先生（数年）
�� Ｈ１４年度 本多政和先生
�� Ｈ１５年度 本多政和先生・宮内道廣先生
�� Ｈ１６年度 宮内道廣先生
�� Ｈ１７年度 本多政和先生・宮内道廣先生
�� Ｈ１８年度 吉本清信先生・須田三郎先生
�� Ｈ１９〜２１年度 石井勝之先生
�� Ｈ２２年度 川村光良先生
�� Ｈ２３年度 吉本清信先生・須田三郎先生
の先生がたに、ご指導を賜った。
今年は、昨年に続き、川村先生にお越しいただくことを考えていたが、手違いにより、予定がブッキングして、今年は、吉本先生・須田先生２名での講師で進める。
例年の、夜の机上講習、「称号者としての心構え」の所感発表の勉強会を復活させ充実を図る。
また、今年は、研修の時々で、皆さんに心構え、意義等を質問することで、さまざまな意見を収集し、研鑚を深めたい。
今回の研修の目的は、案内のとおり、
��
基本体や射技に関して、各自課題を持って研修に臨むこと
��
基本体及び射礼・射法について徹底した研修を行うこと
のテーマですすめる。
◆礼記・射儀の唱和 by塩谷
◆矢渡しの意義について
大会が無事、上手く運営できることの祈念、安全であることを示し、場の掌握をする。
吉本先生：神宮の森で引ける自分姿を、あの雰囲気の中に自分がいることを意識して矢渡しに臨んでいる。
西浦：場の掌握。
竹村：道場主として安全であることを示すことと、２８ｍの矢道・道場として、問題ないことを示す。
新司：今日一日、安全にうまくいくように祈念する。
井倉：射手・介添えで調和を意識する。
西中：得になし
深田：得になし
◇第一回添えの意義
阪中：射手の所作を助ける。
松岡：射手が無事に、矢渡しができることを祈念する。
野尻：射手の思いが発揮できるように念じる。
山本：射手の的中は、第一介添えが決めるとも言われており、誠心誠意を意識する。
岡本：気を送る。（射手の的中は、第一介添えが決めるといわれている。・・・山本さんが先ほど言いました。(笑)）
※吉本先生談話：
過去の、範士研修会のビデオ映像があり、第一介添えは長谷川先生で、すごい形相でのビデオに写っていた。
◇第二介添えの意義
竹田：おおむね第一介添えと心構えは同じと考える。射手の分身である、矢を無事に返す事を意識する。
平 ：射手に気を送る。矢を無事に持ち帰る。
千葉：射手との一体感。
◆矢渡し： （射手：明瀬 第一介添え：森 第二介添え：長濱）
甲矢：×
（弦切れ）切れた弦の弦輪の処理をどうするか？
射手は切れ弦の存在の確認をして、取りに行くには距離があるため、確認の後、射手は処理せず、の対応。
⇒講評では、適切な対応であったとの評価
乙矢：×
（向こう弦）
  
 
◆矢渡し講評
◇須田先生講評
射手：
入場の際の所作が、早かったので、間合いが合わなかった。
細かいところで、動作が速くなるところがある。
開き足の甘さが気になった。
立ったときに微妙に体がゆれる。
取りがけのときに弓がゆれたのが残念。
第一介添え：
体配（指建礼）で背中が丸くなる。
替え弓の動作があったからかも知れないが、跪坐のポジショニングがずれた。
替え弓の際、射手に弓を渡した後、射手の後ろに下がること。
脇正面の時の、礼の高さが高い。
第二介添え：
矢道で、待ちすぎ。間延びしないこと。
手の位置を再考すること。
◇吉本先生講評
射手：
軽軽しく見える。
動作のポイント：丹田、腰、肘の働きを意識することが必要。
腹で動作・移動することを意識する。
呼吸とのマッチングが必要。
介添え：
手の動き、位置。歩くときの手の場所を研鑚すること。
ハプニングに対して、弦の処理をどこで、どのタイミングでするのかは規定が無い。
射手から、切れ弦が離れていることから今回の場合は適切であったと思われる。
仕方が無いのかなとも思われる。
余計な動きをしないことも大事。
定めの座に戻ったときに切れ弦の弦輪が目立ったので、矢を渡した後、第二介添えが定めに、
坐する前に、取りに行くこともひとつの正解ではとも思う。
射手が切れ弦の場所を判断してうまく処理をした。
替え弓のときの、入退場の揖は必要ない。
基本的に道場の出入りには、直角に出入りすること
今回は、ハプニングに対して、慌てふためいて、斜めに出入りしたとも考えられる。
ハプニングが起きた事に、慌てふためき、ばたばたした感があった。
⇒想定しての心構えが必要。
◇受講生からの指摘事項・質疑・応答
射手は、弦切れが起こったときは、恐縮の射を注ぐ必要があるのでは？
吉本先生：⇒決め事は無い。今回の矢渡しの事象がどうだったのかを検証することが重要。
本座に戻ったときに、恐縮の射を注ぐことは必要かもとも感じる。
射手が失をしたときに、すぐさま買え弓を取りにいくことで、ばたばた感があった。
替え弓は場外に準備する。
入る前に打合せをする際に、射手の本弭が射場に入っていた。⇒舞台裏は見せないように。
矢渡しの場合、甲矢を発しているので、乙矢は引かなくてもいいのでは？
吉本先生：⇒さまざまな意見があるが、規定は無く、引かないのは変な印象であるのが主流かと考える。
２本とも失をしたときは、どうするのか？ 矢渡しは矢を通す必要があるのでは？
吉本先生：⇒現実的に不可能ではないか。
◆一手行射：審査の間合い
  
  
講評：須田先生
物見が定まらない人が多い。
物見が動けば上体が動く。
大三での肘が上がらない
押し手が弱いために、引き分けで弓手が遅れて入ってくる。
大三で呼吸が、息が上がってしまう。特に女性に大きく、目立った。
講評：吉本先生
昨年の講習会で、川村先生から言われた、縦線の意識が重要。
腰の使いかた、臍下丹田の使い方から、来ているのではと思う。
腰で移動する、腹で移動すること。
物見、矢番えに響いている。
心のもち方として、残心、退場までの意識が必要かと考える。
◆午後の研修 （ちょっとその前に）
○阪中報告： （２/４・５）指導力向上研修会への参加の所感報告
高橋範先生講評：稽古の不足が、目に付く、中りも悪いし、工夫も無い。
⇒指導者の有るべき姿を思い知らされた。
２日とも範士の先生が矢渡し＆一つ的の演武をしていただいた。
⇒改めて、感激した。
⇒呼吸を合わせることに対して、実現されている先生の行射を見て、感激した。
⇒いつも同じポイントで指導を受けると、同じことを指導されているけど、できていないと痛感する。
⇒先生方は現実に、具現化、完成されていて、その姿を見て、自分のできていないことを再考させられた。
⇒若いときから指導できるしっかりとした指導者を輩出させる必要がある。
基本体の重要性は、その土台の上をどれほど磨いていても、基本体の完成度で感激を生み出せる。
大事な事は、基本体の上に、全てが構築されていることを認識する必要がある。
基本に立ち戻って精進し、基本体を磨くこと。
◆介添え研修
・介添えとして、矢を持ったときの手の位置は、何も持たない状態の、通常の位置と、腰骨との間くらい。
⇒（テクニック）ビジュアル的に、左手を少し上げ気味の方が美しい。
・第二介添えの所作として、的をおさえる際、手刀を切るような気持ちで的を押さえるものの、巻き藁射礼の時のように、垂直に縦に、手刀を入れる必要は無い。
・矢の受け渡し（第二介添えから、矢を受け取った）のとき、矢羽根が下がらないこと。
⇒吉本先生曰く、「下がるはずが無い」
・矢を射手に渡すときは、矢は垂直にした状態のままで開き足をしつつ、羽ごきをする。
・基本の姿勢
⇒吉本先生：項を伸ばす＝＞あごを上げて、耳の下を軸にして、あごだけを戻すと、縦線が延びる。
・第一会添え指建礼
視線は射手の腰板が目に映るところ。
背筋を伸ばす。
かかとをつける。
あごを上げないこと、射手に意を注ぐ。
手のたなごころを意識する。
屈体するから、手が邪魔になって、手が下に伸びる。合わせて腰を入れる。
立つ時には、屈体を戻すときに、指先が膝の間を向くように。
手首の付け根が腰につくように
射手に気を注ぐのを切らさないように。
・蹲踞（第二介添え・的前動作）
足・踵が開かないこと
腰の高さと膝の高さを合わせて、お尻が落ちないこと。
左手の手首が折れないこと。
⇒結論：お尻を落とすな。（水平と規定するには無理がある）
右手肩が下がりすぎないこと（指建礼）。
女子は膝をつけること。開かない。（深田）
⇒教本６９ページには
蹲踞の膝間隔は２こぶしと記載されているのが基準。（男女差は記載なし）
○矢の受け渡しを代表で、今日の矢渡しのメンバーで実践。（明瀬・森・長濱）
実践のポイント：受け渡しの座る位置・揖のタイミング・手の位置、立つタイミング
射手の後ろ：１８０ｃｍ
膝行で戻るのは、一歩か二歩
たなごころを意識しすぎて、手の甲が丸くならないように。
井倉：礼のとき、折手礼・拓手礼を通過点で取ること。
・取り弓の姿勢
ポイント：末弭の高さ。弓と矢の方向・高さ。矢がばらけることの無いように。弦が水平。足の幅。目線。
こぶしの位置＝（腰骨の出っ張り（上前腸骨棘（じょうぜんちょうこつきょく））が目安）
項を伸ばす（縦線）
※昆布先生談：親鳥が小鳥を守りかぶせるように。肘を張る。肘を後ろに引かないこと。
・弓倒し
呼吸に合わせて。弦音で、息を吐いて、吸いながら、弓倒し、体の正面に元に戻す。
肘が下がらないこと。
弓倒し完了時に、肘が後ろに抜けないように。
末弭を最短距離で持ってくる、（こぶしが最短距離まっすぐ直線的に持ってくる）
残心からの呼吸を意識する。
縦線を大事にする。
中らなくても気を抜かない。
吉本先生曰く：取り弓の姿勢は審査員に目がつきやすい。 残心から弓倒しも審査員の見るポイントになる。
◆入退場研修
代表で、（藤岡・森・吉岡・明瀬・山本）の５名で実践、検証。
・入場の際の立ったときの大前の心持
後ろの人の、準備の完了の確認。
入るときの息合い。
入るときの第１歩目を大きく取る。
自分の心を整える。
目線の確認。
道場に気合を。
項を伸ばして、心のもち方の確認。
後ろの人に射場内で、どう動くかを事前に申し伝えること。
吉本先生：入りますと一言声をかける。
・代表練習：
足で歩いている人が、目に付く。
踵をいかに上げないか。つま先も上げない。
腰を水平に移動する気持ちで。
腰が上下に動くのはだめ。腰を水平に。
須田先生：
後ろ足のかかとを前に出す意識が重要。
土踏まずを意識することで、体が左右に揺れなくなる。
吉本先生：
やればできる、道場に整列するときに、道場の床の具合をチェックする必要もある。
・入退場練習：定めの座を取る場合で２班に分かれて練習
定めの座での礼の際、指建礼のポジションが取られていないのが散見される。
礼をするときの視線を上座に配る。
（西中さんがまぶしくて視線を向けられない。（笑））
呼吸が合っていない。
肩に力が入る人がいる⇒やわらかくしたほうが、いい基本姿勢になる。
ロボット的に動いている人もいる⇒呼吸に合わせて、動作の途中も息合いの流れを持つこと。
吉本先生：
定めの座につくまでの後ろの人への気を配ることも重要。
１７歩で脇正面に向きを変えるのでは、後ろはついていけない、最低でも１９歩目で向きを変えること。
ただ、弓を道場から出さないこと、どうしようもないときは、弓の向きを変えて末弭を道場から出さないこと。
礼のときの、矢の傾きの保持は綺麗に見える。
２番目以降の人も、後ろの人に配慮して、一歩目を大きく出ること。（後ろの人への配慮）
立つときの膝を寄せる（締める）動作が必要。
・定めを取らない、本座までの入場。
元禄回りで回るときの間合いを身につけて欲しい。
揖をするとき、膝を生かすこと。三息のゆうであることを忘れずに。
的間隔を意識して歩行して、歩幅で調整する。
★肩に力が入ってしまう。気持ちを腹におろして動作すること。
◆射技研修 （判別研修）：
奇数班；須田先生・偶数班：吉本先生
◆夕食
乾杯の発声by西浦
・・・・・・明日もがんばりましょう。
◆机上研修
「指導者とは」をテーマに意見発表
まず４名の称号者に代用発表していただく
○松村さん
弓と出合ったのは、高校の時。
小笠原の先生（工藤義弘先生：小笠原、増田美和得先生の愛弟子）に弓を教わった。
さまざまな所作、基本動作、作法を教わった。
先生からは、実際に弓を引かれる姿を見て勉強をしていた。
高校の２年のときに、転校して京都に転居。
京都の高校で、インターハイにも出させてもらって、弓三昧の高校生活でした。
弓から離れて、２０年ほど経っていたが、近所の方から、豊中の教室に誘われて、弓道教室に行った。
田中隆一先生に教わった。
先生から、松村さんの弓に接する姿勢を見て、
「初心者を指導するにあたっては、最初が重要で、しっかりと指導しないといけない。松村さんは基本がしっかりしている」との言葉を聞いて、うれしい思いになった。
称号者になって、恩返しができるときが来たと思っている。
これから、恩返しのできる、称号者、指導者になっていきたい。
○藤岡さん
「称号者として」との題材を目の前にして、苦悩したが、段位と、称号者との差について考えさせられた。
称号者の称号をもらって、非常にうれしかったが、これからの修練をどう実現していくかを考え、
弓道の眼目の射品射格を向上させていきたいと考えて取り組んでいる。
その過程で、自分の中からにじみ出していく姿が、射品射格につながるものと考えている。
千葉の石井先生の話で、指導者とは、その人を上達させる必要がある。
自分がしっかり稽古して、人を育てる必要がある。と教わった。
やって見せることができて、事細かに指導ができる指導者像を目の前にして、そのような指導者になりたいと考えている。
ある講習会に参加して、子育てについての講習会だったが、親が子供の教育について重要なのは自立と自律。
同じ事が指導者として必要と考えている
○山本さん
称号者として、５７年に錬士、２２年に教士。
５５年に初めて国体に参加して、競技ばかりを考えていた時期で、常に向上心を持つこと、と考えている。
教本にのっとって、練習に励む必要がある。
小手先ではなく、基本に則して、・・・・・？
最近の奈弓連便り（２月号）の、指導力向上の記事で、無駄を省いた姿の気づきの重要性の記事で、気づくためにはその見識が必要と考える。
２月号のU１５の強化練習会において、西浦先生は、結果は全てではない事を述べられている。
自分の周りに感謝を持っている若者の姿のことが書かれている。素晴らしい。
謙虚な心を育てるそのような指導者になりたいと考えている。
常に努力する姿を見せる必要があると考える。
○深田さん
指導者としてどう考えているかについて、称号者について、と同じなのか？悩んでいるポイントがある。
吉本先生が常に言われている、称号は自分だけのものではない、人のために尽くしていく必要がある。
指導者としての責任と、弓道普及の実現の面から、県連行事への積極的参加も必要。
指導者として、弓道を普及することに関しては、弓道人を増やす必要がある。
指導することは、そのことで自分自身も学ぶことを意識することが重要と考えている。
自由練習で、あえて、ちょっかいをかけて、声をかけるのは控える必要があると考えている。
弓道教室と普段の指導の棲み分けが必要。
やはり、ポイントは基本体の指導が重要で、特に最初が重要で、後で、修正するのは困難である。
本人の修練の度合い、技量、考え方を意識して、体形、体格も考慮して指導している。
何を求めているのかを理解した上で指導する。
どう指導したらよりよくなるのかわからない部分で悩んでいる。
もっといい指導方法があるのではと日々考えている。
指導するには、３倍の練習が必要と言われる先生の言葉。自分の場合、三分の一にも満たない練習を振り返り、もっと修練しないといけないと考えている。
称号を頂いているからには、今まで教わったことを正確に伝えていく。
弓道の好きな人を増やしていくことに努めたい。
◆指導者としてとの意見について、
【須田先生の講話】
近くに１５００円の散髪屋ができて、初めて行って、七、三ですか、オールバックですかと尋ねられた。（笑）
見てわかることと、見てわからないことがある。
弓道の中には、やることは同じでも、百人百様。
面白くもあり、つらくもあり、楽しみもあり。
「気づき」について話をしようと思う。
弓道の修練の目標はいろいろだと思う。
大別すると、�ゞサ暫羶粥↓�鍛錬道としての弓道に分けられると思う。
ある時期、局面で、中りだけでなく、その奥に面白みがあることに気づく。
高校生も、大学生も、道を開くことで、その世界が見えてくる。
ある言葉に、「人間は、一度死なないといけない。死ぬのは早いほうがいい、」という話がある。
やり直す時間が長いほうが、成功が後に待っている。
弓にも同じ事が当てはまると考える。
そのことに気づくことが必要だが、できないのが実状。
２００６．９．１４の記録で、吉本先生から指摘された事象が残っている。
歩き方、体が動く、等々いろいろ教えを得た。だが、現時点で、それでもできていない。
なかなか気づかない現実がある。
本来の武道としての弓道を目指してきたつもりだけど、
学生時代、石岡先生は体配のことを特に言わなかったが、的中のことも言われなかった。
三重十文字の教えに徹しておられた。
学生の時に、先生の的中の、率の高い姿を見ていたけれども、的中中心にはならなかった。
京都五月大会に連れて行ってもらったときに、鈴木三成先生、東京の月村先生の射を見て、すごいと思った。
さらに小笠原の鈴木先生の射を見て、感激したことを覚えている。
中て気の無い、すばらしい射だった。
今振り返ると、それでも、気づきが遅かったのかと思っている。
いかに、気づかせるか、ある時期にいかに気づかせるかが大事だと思う。
行射では基本の中でも胴作りが一番重要だと思う。
不動の体を作ることが肝要である。
そのことで末永い弓道ができるのではないかと考えている。
弓を教える以上に、
心を教えること、弓の習い方を教えることが大事だと思う。
初二段では、伊藤先生会長時代、受審者は全員合格でいいんだとおっしゃっていたが、それも伊藤先生の哲学として正解だと、今になって思う。
下駄の履き始めの人に、弓の道筋を示すことが指導者として重要である。
気づきが遅くなる障害に、的中がある。
的中は１００癖、１００の反省をも隠す。
気づきが遅くなる要因でもある。
中っている時ほど、直しやすいが、聞き手がその体制になっているかどうかが鍵。
昔、琴平のインターハイで、明日、決勝というときに、仮設の練習場で、大前の子が調子が悪く、ねらいが違っている事を指摘したところ。明日決勝なのに、ねらいを今言うのかといわれたことが有るが、
絶対、勝て、勝てというタイプではないので、基本を大事にして、言うだけのことを言っていこうと考えている。
もう一つは、指導者は勉強しないといけない。
経験則だけで話をしてはいけないと思う。
教本は、各流派の上澄みにすぎない。
弓道八節については、新しい、概念で、五味七道に残心が加わって、八節になった。（尾州竹林）
絶対的なものは無く、発展途上のものであると考える。
昭和３０年ごろ、まだ、弓道界は混沌としていた状況であった。
２８年に教本が発刊、改訂版は４７年？２８年の教本は面白い。ぜひ見てもらいたい。
全弓連の体質改善を求められている状況。
弓道の普及の仕方も、弓道の射法もまだまだ変わっていく、発展途上のものだ。
大離れの射法がスタンダードになったのは吉本先生の、功罪。
昭和５０年代、範士の先生方が、弓道の議論を戦わせた時代だった。
【吉本先生講話】
資料（鴨川先生の指針）をもとに講話。
実践し、範示能力を。（今は、示範となっている。）
正しい射法に自らの骨格に適合した合理的射法（骨法）に基づく洗練された術・技法の修練が求められる。
的にとらわれない心を養うには、心法の鍛錬、自己統制の強靭な意思力、即ち心身弓の調和・三心三合だ。
どう伝えていくかが重要。
単純な行動が指導ではない。
鈴木三成先生・・・？
指導力向上の中で、高橋範先生が
「聞く耳を持たないものにまで教えるのは滑稽である」、とまで言われている。
習う人の準備性が伴わないといくら高尚なことを言ってもだめ。
初心者の指導の重要性。刷り込み現象。
理論至上主義の中で、稽古稽古の流れに戻したいとの意見もある。（鈴木三成先生）
講評は、いいところだけを見る。伝える必要がある。
悪いポイントを指摘することが多いが、よい点を１ポイント押さえることも大事。（鈴木三成先生）
○公益財団法人について、
公平・公正がポイント
審査のあり方が問われている。収益源が審査になっている。
⇒地連審査員は全弓連に報告する。その内、指定資格が必要になる。
来年度財政が６０００万円の赤字。３億円の事業体で。
⇒講習会の削減。
個性が無いとの批判もあるが。＝講習会の成果ともいえる。
もっと個性を引き上げる指導が必要とも考えられている。
天皇杯。各県２名に改定される。（近畿の予選が無くなる）
財政改善の策として、名誉会員の増員策（寄付扱いでの処理が可能になる）
○スポーツ指導員
どう生かされるのかが見えていない実情。
国体の運営・審査員の資格に展開されると予想される。
スポーツの指導者として、知識として必要な内容。
弓道教室等の運営での指導員の有無が必要になる可能性もある。
○称号者研修会のあり方について
阪中：
外部の先生に教えていただくレベルになっていない。
地連のレベルの底上げが必要。
奈良は恵まれている状況。
受ける立場の意識の差がある。
普段練習していないのに、参加している部分がある。
準備が必要と思います。
西浦：
先生方は研修会の準備のために時間を使って頂いている。
その中で、われわれはどう、準備対応しているのか、反省する必要がある。
奈良県は昨年一年間「縦線」を意識して、すごそうと言われていたけど、
どこまで、実行できているのか。
積極的に参加する姿勢が必要と考える。
西中：
スポーツ指導者の検定試験は仕上げ行射を検定判定にしたいと考えている。
西浦：
スポーツ指導者の受講希望があれば、受けてもらいたい。
称号者研修会あるいは、伝達講習会を受けた人が実技免除になる。
日体協の登録が必要になる。登録費用が必要。
【称号者研修会 ２日目】
◆８：５０準備体操by西田
◆９：００開会
◆主任講師（吉本先生）より挨拶
寒い中、・・・・？
今日もう一度、基本体を再確認して進める。
今回の取り組みは、初めての試みでは有るが、昨日の反省も含めて、改めて取り組む。
普段、皆さんの注意しているところを、発表していただきたい。
◆礼記・射義唱和（明瀬）
◆一つ的演武：（大前：新司・中：西中・落ち：竹村）
AM９：１０スタート
大前：
新司： ××
中：
西中： ××
落ち：
竹村： ××
（雑感）
・息合いと、気合のみなぎった、いい射礼であった。
・肌脱ぎ後、本座から射位に進むスピードは、気合の発動に応じて勢いよく進むべきか？一歩目だけでいいのでは？
・美しさの追及の観点から、動作のシンクロが最低限必要ではないか？
・射位から本座に退行する際、７歩８足で、８足目で締める。
・退行するときも歩数をそろえるべきではないだろうか。
・肌入れ後の動作の、息合いが前半より、乱れているかに感じられた。
◆一つ的講評
須田先生：
・寒い中、すばらしかった。
・日ごろの修練の成果か、呼吸がよくあっていた。
・綺麗に整いすぎていたくらい。
・揃うと、矢と弓の高さ、手の位置等の細かいところが目立つ。
・的正面での、弓を収めるところで、弓の高さの不揃いが目立つ。
・今日は、縦線を意識した、いい礼射であった。
吉本先生：
・息合いが揃っていたのは良かった。
・大前の足踏み：踏み込みが弱いからと調整すると、調整が後ろとの整合性がずれる。
・矢番え動作も揃って美しかった。
・中らなかったときの残心をどうするか？検証の余地あり。
⇒心が表れる。
・入場の際の、目線のとりかたに再考の必要がある。
・箟調べの際に、気が矢先で途切れる。一連の流れの中で隙の無い行射が必要。
◆ポイント講習by吉本先生
肌脱ぎ、肌入れをする際の、弓を立てる時の意識
⇒右ひじで引っ張っていく気持ちでの動作が必要。弓手で立てる際に、弓が波打つ動きが見える。
⇒４５度の、体の向きの時には、弓は体の正面にあること。（常に末弭は体の正面）
・中島先生曰く、「弓を大事に扱う、運んでいる動作が肝要」との言葉があった。
◆基本体の研修
研修の進め方、研修動作とポジショニングの説明。
昔、中央審査の時に、肌脱ぎまでした動作により矢番え動作まで、通しで研修
○実践研修（２〜６番）＋見取り稽古
・揖をするときの注意点
膝を行かして、縦線を伸ばす。
息合いを図る。
目線の位置を正確にキープする。
矢の向き、高さを揃える。
揖は１０ｃｍ屈する（腰から）
１０ｃｍ屈体した場合、上に伸びる気持ちで戻す。（１０ｃｍ屈体して、９ｃｍ戻すのは規定しすぎで不可能）
きちっと左ひざを活かす
三息の揖であることを忘れないこと。
矢羽根を動かさない。
・開き足前動作
腰を切る際の末弭を目通り（＝目の高さ）。
膝を閉めて腰を切ること。
腹を突き出す人がいるが、上に伸びる動作で、腰を切る。
・開き足
左ひざをしっかりかぶせること。
肘を活かして動作する
末弭が正面にあること。
腰が落ちないこと。
開き足終了と同時に、お尻がつくこと。
・弓を立てる動作
右肘が落ちないこと
弦が鼻筋を通ること。
右膝を活かす。
左手を腰骨に正確に位置させる
襷かけ：末弭はまずは体の正面に位置し、矢を組むときに、少し右に動かすが、体側の線よりかは出ないこと。
⇒落とすよりかは弓を右に振ったほうがいい。（右に振ったほうが落としにくいのは理解できる）。
弓を立てるときの本弭の位置（膝からこぶし一つ前）。
女性：腰を切った後、開き足と同時に、末弭は目通りから、直接、末弭を床に下ろす。
○実践練習（７〜１１）＋見取り稽古
・肌脱ぎ
手を袖に入れて、袖山に沿って親指を移動させる。指先は揃える。
腕（袖山）の角度、坐射４５度・立射は水平に近く。
襷さばき：籐頭を持つこと。円相を意識する（襷を取る際）
呼吸に合わせての動作。
肘の高さを動かさない。（弓を戻すときに肘が落ちる人がある）
肌脱ぎの動作の目的・意思も持って動く
的に通じる意識で、顔向けをする。
籐頭を持つ理由は？⇒特に無い、体配としての決まりごと。
矢の水平の保持（もろがけは水平）：明確な決まりではないが、意識することで、綺麗に見える。
終わったときの左手の位置とたなごころに注意。
襷さばき：左手の肘を出さないように。（着物の生地による）
⇒襷はきつく締める必要は無い。着物が落ちない程度で十分。
※襷がけをなくす強硬意見が全弓連の中にあるが、
奈良県としては、増田先生が考案した体配なので、残していきたい。
目線については、末弭を見ないこと。
・的正面に向きを変える際
戻るとき、左手で弓を迎えに行かない。
弓の高さ（末弭）を男女そろえる。
右膝をかぶせるのが甘い人が多い。末弭の位置で審査員からよくわかる。
・肌入れ動作
籐頭をもつこと。
右肘を活かして、縦線を忘れない。
弓が揺れないこと。
襷さばき：左ひざを生かすのが原則。足を踏み出さない（膝をあげないのが原則）。
肌入れが入らないとき弓を倒すのは可。（恐縮の意を示すのもあり。）
⇒襷さばきの場合、弓を落としたときは恐縮の意を示すのが一般的
弓を差し込むとき、着物の袂が入るように所作する。（正面から差し込むことで可能）
⇒（石井先生が指摘されていた内容）
目通りとは、目の高さのこと。（視線の通り道ではない）
肌入れは遅れてでも最後まで完了させる。
・退場時の射場外の足さばき （特に橿原道場の場合、狭いので、かぶせ足をする人が散見される）
足さばきとして、かぶせ足の動きはおかしい。基本の動作に準じて動作すること。
・矢番え動作。
弓を立てるとき、弓の外竹が体の側面を沿うように立てる。
弓を真っ直ぐ、引き上げられるように、立てる。
本弭の位置、膝からこぶし１個の位置。
肘が下がらないように。
弓を返すのではなく、弦を返す。
腰の高さ（下の成り付近）で弦を取って弦を返す。
弦を返す要領⇒１ｃｍの円でまわす。
弓を動かさないように抱え込むように。
矢番え動作確認：組む⇒検別しつつ、矢を取る⇒顔を戻す。
息合いを合わせる。
矢を水平に保持して、矢番え動作をすると美しい。
矢番え後の矢を水平に平行に保持する。
射付節の所を弦に合わせる。８〜１２ｃｍとし、極端に長くならないこと。
礼射系の人の羽ごきの流れを止めないこと（２回で行う人が散見）肘が下がる人も。
検別しつつ、矢を取る。
顔向けを完全に戻してから、羽ごき動作に入る。
乙矢を打ち込む際にこぶしを上下させない。
矢番え動作後、真っ直ぐ、縦線を意識して立つこと。
弓が上下に動かない事。
ささげ持つ気持ち＋肘は活かす。（肘を下げて下から持つのもだめ、つまむのもだめ）
※（須田先生）弓倒しの要領：飛んでいった矢を引き戻す意識で弓倒しをする。
◆基本動作繰り出し練習
・執弓の姿勢で、?の親指は隠したほうがいい。
・息合いを揃えて、同時に動作できるように、それを練習している。意識して取り組むこと。
・面相は大事。しかめっ面にならないように。
  
 
  
  
  
  
  
◆仕上げ一手。
講師視点基準
基本体の所作に重きをおいて、仕上げの一手を見る。
審査の間合いで、各自一手行射。
この研修会で確認された、基本体を意識して、行射を行うこと。
  
 
  
 
◆講評 吉本主任講師
今回、基本体、体配を中心に指導してきた。
どこかにフォーカスしないといけないのではと考え、対応した。
その分、射技研修の時間が多く取れなかったのは、理解していただきたい。
全員を、上位から、ABCDで評価した。基本体を中心に検定をした。
要練習＋勉強要のDランクに該当するものはいなかった。
また、優秀と判断される、Aランクの該当者のなし。
まだ、幾分修練が必要とされるCランクの人もなく、須田先生と相談をし、全員をまずまずの評価のBランクとした。
細かなところ、伝達が仕切れなかったかなとも思うが、それぞれ、今回得られた点を検証していただきたい。
体配はその気にならないと身につかない。
裏返すと、一旦、身につくと忘れることが無いので、しっかりと今後も、取り組んでもらいたい。
仕上げの一手の時には良くなったが、３ヶ月たち、１年経ったら忘れてしまうのが常なので、心して修練してもらいたい。
日々の、生活の中でも体配、基本体の練習はできる。
支部、道場に帰ってしっかり、伝えて欲しい。
初めての人に教えるのは重大な責任がある。
ある意味充実した研修会であった。
指導部が中心になって、運営してもらって、感謝している。
指導力向上研修会で、仲間作りが重要であるとも言われている。
県連の皆さんが、全員が仲間として活動してもらいたい。
◆閉会の挨拶
２日間にわたり、休憩もほとんど無く、ご指導いただいた、吉本先生、須田先生に、改めて感謝し、閉会した。
ありがとうございました。
◆拝礼
吉本会長の先導で国旗に拝礼し、この平成２３年度称号者研修会の一切を終了した。
・・・・・・お疲れ様でした。
記録：清水勝・工藤裕章 （受講者：敬称略で記載）
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